こぶのなかのしる

観た映画のこととか、アナログゲームのこととか、色々と与太話して暮らしています

【映画】天使のくれた時間

あけましておめでとうございます!3月ですよ!!!!
というかこのブログ最後に更新したのが去年の3月末って本当ですか…?本当ですか…そっか…

 

映画自体はコンスタントに観ているし、ひっそりメモとか書き留めたりはしているのですが、それをどこかにアウトプットするのは大分サボっていたので、感覚わかんなくなってますね。それはなぜか?!そう!サボるからだ。
はい…

 

 

 

というわけで(?)面白かった映画の話をしたいと思います。

 

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「天使のくれた時間」(2001/4/28)

 

ニューヨークで大成功しているスーパービジネスマンのジャックは、クリスマスイブの夜に遭遇したケチくさいコンビニ強盗を説得して場を収めたことで、そのコンビニ強盗の謎の力で(???)今とは全く違う世界線の人生(の、クリスマスの朝)に吹っ飛ばされてしまう。その人生とは、かつて将来のために捨てた恋人ケイトと家庭を持った平凡ながら幸せなものだった。その平凡な人生というものに納得がいかないジャックは、なんとかして元のスーパービジネスマン人生に戻ろうと駆け回るが、その中で色々なものを見つけていく、というSF(すこしふしぎ)で世にも奇妙なコメディドラマです。

ぼくはこういうちょっと不思議な何かが起こって普通の人が変なかんじのことに巻き込まれる世にも奇妙な物語のような世界観の作品が大好物です。みんなも好きだと思います。

 

ぼくが宇宙で一番「よくわからない理不尽な事態に巻き込まれて困惑の極みの顔」が似合う俳優だと思っているのがニコラス・ケイジなんですけど、そんな最高の俳優ニコラス・ケイジがよくわからない理不尽な事態に巻き込まれて困惑する映画なので、その時点で面白くないはずがなかった
この「知らない人生」に吹っ飛ばされたあとのケアが何もなくて、自分の置かれた状況、人間関係などなど前提情報が一切何もないままさぁはじめてください!でほっぽり出されるという超絶ハードモードでめちゃくちゃかわいそうなんですけどそれが面白すぎるんですよね。わけわかんなさすぎて娘にパパを乗っ取った宇宙人扱いされるし(まぁ半分くらい事実ではあるんですけど)いやすぎる
そうはいってもジャックも極端な仕事人間だっただけで特別イヤな奴ではないし、実際新しい人生に叩き込まれても状況を打開できるだけのスペックを持った超人なので、観ていてストレスもかからず非常にテンポよく話が進むのが良い所です。ほんとに。他にも明確にイヤな人間というのもほとんど出てこないですし、無慈悲なドタバタを乗り越えて辿り着く結末も想像力をかきたてるようなやさしい温度感で昨今の時勢で疲れた時に観るコメディとして最適解のひとつだと思います。みんなも安心してニコラス・ケイジを浴びてほしいですね…

 

 

あとこの作品、邦題が「天使のくれた時間」なんですけど、この謎の現象をもたらした存在が天使どころかどうひいき目に譲っても育ちの悪いジーニー程度なので、邦訳の過程で「天使」に関する価値観が相当ねじくれ曲がってる人が紛れ込んだ可能性がありすぎる…天使って名前で呼ばれる存在はふつうニセの宝くじの交換をゴネて店員に拳銃向けないでしょ…

原題は大分ニュアンスの違う「The Family Man」、仕事一辺倒で家族という概念が存在しないジャックのことを考えると、なかなか趣深くて素敵なタイトルですが、確かに良い感じに邦訳するのはむずかしいかも…

【映画】明日への地図を探して

絶対にラーメン屋のチャーハンを食べるぞ!!って息巻いて外出したところ、狙っていたチャーハンのおいしいラーメン屋さんが定休日でした。
 
 
くやしいので面白かった映画の話をしたいと思います。
 

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「明日への地図を探して」(2021/2/12)
 
原因不明のタイムループに閉じ込められ、同じ一日を工夫しながら繰り返し生きているマークは、ある時、自分と同じようにループした同じ一日を自由に動いている女の子マーガレットと出会う。お互いの存在を認識したふたりは、その一日に隠されたさまざまな「ちいさな奇跡」を探したり、ループするのをいいことに普通じゃできないような遊びをしながら、タイムループの謎を解き明かそうとするが、この一日から脱出したいと考えているマークとこの一日にとどまっていたいと考えているマーガレットの間ですれ違いが起こり…というタイムループモノの超時空青春映画(??)です。超時空青春映画とは…??
 

まず、この作品では主人公のマークにタイムループが起こった経緯というのをあえて描写せず、冒頭でいきなり「今日一日、これから何が起こるかすべて知った上での生活や行動RTA動画」が始まります。これによって、何の説明もなくとも「主人公がすでにイヤになるほどこの一日を繰り返している」というのがわかるというとてもスマートな仕組みになっています。マークの洗練された動きとそれを追いかける超長回しの映像と、そのテンポの良さがまた気持ちいいんですよね…鳥のフンが落ちてくる瞬間に通行人の足を止めたり、車のカギを探してる人に場所を教えてあげたり、みたいな何が起こっているか知っているうえでの手助けが、彼の人柄も表していたり。好青年だ!イマイチ仲の良くない妹にはアタリが強いけど…

そしてもう一人の主人公であるマーガレットも、ほんとうにさわやかで愛らしくて、振る舞いがとてもキュートなのですよ。同じ情報だけで構成されているタイムループの世界でこんな刺激的なものに出会ってしまったら10000%恋に落ちるでしょ…むりですよ…だってかわいいもん…(個人的には金髪のソバージュがめちゃくちゃ好みの髪型なので変に補正がかかっています)
そんな2人の主人公、マークとマーガレットがとにかく素敵なキャラクターなので、この物語がうまくいってほしいなーと願わずにはいられません。主人公とヒロインの好感度が高い映画は全部良い映画なので(暴論)
そしてこの作品、主人公たちの周りの人たち、家族や友達もみんないい人たちばかりで、人間を陥れたり攻撃をしたりという悪意がない(というか、物語の構造的に悪意にあたるものを登場させる必要が全くない)ことで余分なストレスを感じないのは本当にうれしいところですよね。
 

この2人が出会ってからは「ループする一日の中で街の『小さな奇跡』を見つけて集め、地図を作る」というレクリエーションを始めるのですが、その小さな奇跡というのが
「カフェでトランプをやってるおばあちゃんがレアな役を作って大喜びする」
「道端のベンチに座ってるお兄さんの後ろにたまたま止まったトラックのペイントで天使の羽根が生えたみたいに見える」
「清掃員のおじさんが学校内のピアノでこっそり超絶技巧の演奏をしてる」
みたいな、本当にちょっとした、でも見かけたら幸せになってしまいそうな等身大のミラクルなのがいいんですよね。そんなタイムループの過ごし方、楽しすぎる… 非現実事態の中での遊びの探し方があまりにも天才


そんなふたりの日々(繰り返す一日だけど)を経て序盤からひとつずつ積み上げられた伏線やフラグ、描写が、マークからマーガレットへ視点が移り変わりながら終盤に至るまでに丁寧に回収されてひとつの結末に向かって昇華されていく、そのお話の語られ方がものすごく気持ちよくて、いわゆる「予想だにしない衝撃の結末」を迎えるようなタイプの映画ではないんですけど、一番着地してほしいイメージの所にしっかりと着地してくれる、そんなやさしい青春の物語がここにあります。
 
 
理論を詰めていくガチガチのSFではなくて、あくまでも「SF(すこしふしぎ)的な要素のある青春人間ドラマ」なので、難しくなくさっぱりとした気分になりたいときにおすすめの、とても後味の良い映画でした。
 
 
 
以下、ネタバレになることに少し言及するので分けておきます。
 
 

【映画】ビバリウム

そういえばまだ初詣行ってないですね…新年を迎えるまでは初詣行ってもいいですよね。

 

初詣に行きたいので、面白かった映画の話をしたいと思います。

 

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ビバリウム』(2021/3/12)

 

怪しげな不動産屋マーティンの紹介で郊外にある建売の住宅地「ヨンダー」にマイホームの内見に訪れたカップル・トムとジェマが、その広大でどこまでも同じ景色、同じ家が続く上に住人の気配すら一切ない不気味な住宅地に置いていかれ、まっすぐに家から逃げても元の場所に戻り、家を燃やしても元の状態に戻ってしまうという謎の無限ループによってどうやっても出ることが出来なくなってしまう。そこにダンボールで(?!)届けられた誰のものかわからない赤ん坊を「この子を育てたら解放する」のメッセージに従って育てさせられることになり、その住宅地で、その家で暮らすうちにふたりの精神の均衡が崩れ去っていく…
という、ものすごく不気味で気持ち悪く彩られた、夢のマイホームホラーです(夢のマイホームホラーとは??)

 

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まずなによりも、この映画全体を取り巻くビジュアルの気持ち悪さが良いんですよね。
ライティングさえ間違ってなければパステルカラーなミント色の家々とよく晴れた青空、清潔に整えられた道路と青々とした芝生が綺麗で、日本人がイメージする海外の楽しそうな住宅地…のはずなんですけど、それらすべてが完全に悪意のある光の加減によって、蒼ざめた無機質で気味の悪い世界になってしまいました。なんということでしょう。こわすぎる。
屋根に登った時に見える同じ家が地平線の向こうまで続いてる景色とか、綿を千切って空に貼り付けたみたいな不自然な雲が空に点々と散らばってるのとか、毎日のように届く真空パックされた必要最小限の食料品とか、永遠に主人公たち以外の人間…どころか鳥や虫に至るまでが一切出てこないこととか、なんかもう細かい所がいちいち怖いんですよね…あんな所にいたら完全に頭おかしくなります。
そして彼らが育てるはめになった子供がこの映画の肝なんですけど、彼は常人の数倍の速度、約100日で赤ん坊から10歳児くらいまで育ち、そのままの速度であっという間に成人します。それに加えてトムとジェマのいう事を反芻して真似したり、奇声を発して暴れまわったり、何かっていうたびにこちらを観察するように眺めていたり、気持ち悪い模様が走るだけのテレビの映像を夢中になって見つめていたりとか「我々と同じ人間の形をしているのに明らかに何かが違う」というめちゃくちゃ異物感があるこわい存在で、こんなものと一緒に何か月もこんなところで暮らしてたらそりゃ気も狂いますわ…という説得力があります。どうしてこんなことに…


この映画では結末というかギミックは割と早い段階で分かるんですけど、それはいわゆる、よくあるところの「オチが読めてしまった」みたいな話ではなくて、冒頭2秒でカッコウの托卵シーン*1をドンと映すことでこの物語の盛大な前フリをしたり、物語の各所に散らばる、伏線というにはあからさますぎる数々の描写でオチを気前よくネタばらししてくれる仕組みです。
つまり、それによってこの映画の中核である「そこに至るまでの気持ち悪すぎる話や雰囲気の流れ」と「この映画が表膜の裏側に忍び込ませた世界に対するメッセージめいた何か」に集中できるんですよね。この気持ち悪い、肌にまとわりついてくるような不快感が本当に最高でした。
もちろん、そこから着地するオチもちゃんと、すごく好みです。圧倒的に趣味が悪くて。どうしてこんなことに…



この映画のタイトル「ビバリウム*2」というのも、製作者の悪意をたっぷりと感じる単語のチョイスが絶妙です。好き…

*1:他の鳥の巣を乗っ取って自分が大人になるまで見ず知らずの親鳥に養わせる、大自然が生んだ地獄みたいなカッコウの習性

*2:ガラスケースなどに自然の状態を再現して生物を飼育する空間。最近だと爬虫類とかカエルを飼育するのに使われています

【映画】冷たい熱帯魚

なんかたまに無性に水飴ぐるぐる練って食べたくなる時ってありません?

 

 

水飴が食べたいので、面白かった映画の話をしたいと思います。

 

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冷たい熱帯魚」(2011/1/29)R18

 

熱帯魚店を営む気弱な主人公・社本が、ある時万引きした娘のことを助けてくれた異様に陽気でちょっと押しの強い同業者のおじさん・村田と仕事で付き合いをするようになり、その押せ押せに巻き込まれていくうちにやがて彼の本性である連続殺人鬼、最悪の犯罪に引きずり込まれていく…という、飛び散る血肉の放つ生温かい湿気とむせ返るような悪臭がすさまじい、最悪のサイコサスペンスです。
全部が全部本当ではないにしろ、実話がベースの話らしいです…ウソでしょ…?この世に希望がなさすぎる…

性描写とバイオレンス描写がえげつないためR18です。おっぱいもたくさん出てきます。バイオレンスが苦手な方は勿論、小さなお子様や家族の団欒の席にはおすすめできません。

 

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この映画のまずメインの見どころである、主人公を引きずり込んでくる殺人鬼村田。彼は外面は人の好さそうな陽気なおっちゃんであり、冷たい印象のサイコパスではなく「人間としての品位と倫理」をどこかに捨ててきたような、いわゆる治安と罪の意識のなさが最悪で妙に人間としての体温を感じるような、それだけにより一層本当に目を背けたくなるような、そんなドス黒い邪悪な犯罪者像となっています。最高ですよね…ドス黒い邪悪…
ぼくは最初の陽気なおじちゃんの時点で(前知識関係なく)めちゃくちゃ怖くて、こういう押しの強い人に自分のエリアを踏み荒らされることってあるよなぁ…って思ってたんですけど、まぁちょっと踏み荒らされるとかそれどころですむ話ではなくなってしまった…
この村田を演じるでんでんの演技、特に連続殺人鬼の本性が見え始めて以降の言動態度の切り替わりがあまりにも怖くて、今後どんなにポップなでんでんを見てもこれが脳裏から離れることはないでしょう…

 

 

そして、もう一つの見どころである主人公社本。殺人鬼の村田とかかわりあう過程で一発かまして度胸がついてしまった社本のえげつないほどの変化こわすぎる。欲望や感情が抑圧されたような線が細くて気弱なおじさん(しかも…それが吹越満ですよ…?)がスイッチ入りすぎてあんなことに…
なまじこの主人公が共感型の挙動をずっとしてきただけに、この変貌がウッと胸に来るものがあります。「変わってしまった」社本を演じる吹越満があまりにも強すぎるんですよね…
さらにそこから続くラストがあまりにも胸糞悪すぎてつらくて、それまでの激烈にドロドロして悪臭を放つ展開の連続からトドメとしてこれを喰らい、ぼくは椅子から立ち上がることが出来ませんでした。漏らしはしませんでした。大丈夫です。この脚本を作った人には人間の心がない…最高のラストでした…この先は皆さんの目で直接確かめてください。

 

 

エログロや趣味の悪さが全開でもちろんR18で間違いない映画なのですが、この作品の本当のグロさは肉体的物質的なグロテスクではなく、人間の醸し出す精神的なバイオレンスとグロテスクだと思います。なので、精神に余裕のある時に鑑賞することをおすすめします…

【映画】紙の月

最近ちょっとやり方を覚えてきたのでiPadでのおえかきが楽しくなってきました。でもおえかきしながらだと映画とか観られないのでそこがもどかしいですね。両立できるずのうがあればよかった…

 

ずのうがないので、面白かった映画の話をしたいと思います。

 

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「紙の月」(2014/10/25)

 

円満な夫婦関係と銀行員としての順調な仕事ながら、どこか満たされない生活を送っていた主人公が、ちょっとしたモノのはずみから大学生と不倫関係に堕ちてしまい、彼に貢ぐことに快感を覚えてしまう。はじめは少額だった横領だったが、不倫と豪遊の資金調達のためと良心の歯止めが効かなくなり、どんどんエスカレートして額も規模も人間性もとんでもないことになっていく…というインモラルな灰色の湿気に包まれた経済的バイオレンス・サスペンス映画です。

 

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当初は幸の薄そうでどこか儚げな主人公(しかも…宮沢りえですよ…?最高じゃないですか?)の憂鬱や焦燥になんとなく同情や共感を覚えられるかな…?という気持ちからスタートして、そうするとこの話の「横領」にも何か理由があるんだろうな…という期待はするのですが、中盤以降良心のタガがバキっと壊れて金遣いや横領、何もかもが加速して魂がドロドロに濁ってくると「あっ…これ絶対共感とかしちゃいかんやつだ」って感情が一転します。一時的にでも満たされるために、やってはならない手段に手を出してしまう、というのは分からなくはないですが…いや…わかっちゃダメだ…
そんな中で横領のしっぽをつかんでくる真面目な同僚(小林聡美は本当にこういう「強い女」がマッチしてますね)が、またこの人がほんとに怖くて、この点だけに限れば「主人公何とかバレずに逃げ切ってくれ!!」とずっとハラハラ、ヒヤヒヤするのですが、最終的には「なんか、なんとかみんな救われてほしい…みんな笑顔で暮らそうよ…」みたいな気持ちになります。ました。そして、ませんでした。
でも横領が発覚した時に机の上にまとめられた偽造文書の数が「ペラッ」でも「バサッ」でもなく「ドス!!」なので…もう同情の余地がない…横領しすぎ。この「ドス!!」は是非観てほしい…

 

「主人公が就職記念でプレゼントしたペアの腕時計をムゲに扱うかのように夫から贈られる高級腕時計」
「金遣いが荒くなってからどんどん荒れ果てていき横領基地と化した自宅のリビングルーム
「最初はお金に対して消極的だったのに一度贅沢の味を覚えてどんどん低俗な闇に堕ちていく不倫相手の大学生」
「物語のラストで映される主人公の関係者たちのあまりにも残酷なショット」

…などなど、そういう細かい所の「じっとりとした闇」の描写が執拗で人の心がなくて、観てるといい感じに心が削られていきますが、それがまた心地よいんですよね(薄暗い人間で薄暗い映画が大好きなのでなので)

 

 

派手な展開こそないものの(金遣いと横領額は派手)、じっとりとしたスリルや人間の欲望の薄暗さが味わえる素敵な作品なので、元気な時に是非このまとわりつく湿気を浴びてほしいと思います。

【映画】犬猿

3か月以上…4か月?放置してしまっていたのですが、映画の感想、レビューもこちらのブログに書けたらいいですね。Filmarksが気軽に書けてしまいそちらも便利なのですが、ある程度まとまった文字量だとやっぱりブログの形態の方が取り回しは良さそうです。

 

久しぶりにブログを触ったので、面白かった映画の話をしたいと思います。

 

 

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犬猿」(2018/02/10)

 

「真面目で気弱で卑怯者サラリーマンの弟と裏表がなくてわかりやすいけど品性があまりにも最悪すぎる反社会的な兄」という兄弟

「顔と愛嬌が良いかわりに頭と性格が悪い役者志望の妹と、それに対する全力のコンプレックスを拗らせて性格がグズグズになってしまった姉」という姉妹

その兄弟と姉妹が出会い関わり合っていくことで、歪んだままギリギリの危ういバランスを保ってきた家族関係に変化と亀裂が入っていき、無差別級コンプレックスバトルが巻き起こっていく、というお話です。

 

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とにかく、この脚本の醸し出してくる”人間に対する強烈な悪意”がものすごくて、人の心の弱い所きたない所と、どうすれば観た人の心を抉ることが出来るのか、というやり方がわかりすぎているんですよね…特に妹に強いコンプレックスを抱く”持たざる”姉の性格の歪み方が生々しくて、多少なり身近な他人に対してコンプレックスを持ったことがある人間ならば確実に抉られるであろう心当たりというやつがすごすぎる…脚本書いたのは監督さんなんですけど、兄弟に対してこんなコンプレックスを抱いたことがあるのかもしれません。その拗らせた性格が行動に発現してしまう流れとか、爆発した時のどうしようもなくなる感じとかめちゃくちゃ生々しいんですよ。どうしてこんなことに…

主人公である4人はそれぞれ当て書きなのでは?と思うほど役柄と役者さんがマッチしているんですけど、その中でも窪田正孝くん演じる弟が時々見せる「いつ人を刺すか全くわからない奴だけがする眼差し」がめちゃくちゃ怖いです。普段気弱で真面目な感じのキャラクターなのに、この視線がクローズアップされる瞬間が怖すぎる。ある意味わかりやすく危険な乱暴者であるお兄さんよりもはるかに”闇”があります。顔が良いですしね…(重要)


この映画のストーリーはいわゆる「最終的に雨降って地固まる」系ではあるんですけど、まぁその肝心の雨がいくらなんでも土砂降りすぎなんですよ。このことわざだと普通はもう少しやさしい雨だと思うんですけど、暴風雨にもほどがある。
そして4人がそのすべての感情をむき出しにした爆発を踏まえた上での結末の4人の表情があまりにも最高すぎました。この脚本はほんとうにすごい。是非ここまで観てほしいですね…ラストのラストですけど…

 

以上、人間のきたない所をむき出しにしてぶつけ合うストーリーなので、万人向けとはとてもじゃないけど言えない映画なのですが、ぼくはめちゃくちゃ面白かったので、興味があれば是非このヘドロを浴びてほしいと思います。

 

 


あと、冒頭に白々しい映画のCMみたいなのが入ってて「アマゾンプライムがバグった?!」って思ったんですけど映画本編のわるふざけでした。びっくりした…

【雑記】2021のToDoリストをつくったんです

あけましておめでとうございます。
…?遅いですか…?そんなことはないです。大丈夫です。
12月31日の23時59分までは新年なので、年始の挨拶はいつしてもいいんです。みなさんもそうしてくださいね。

 


こちらのブログの更新が全然されないままになっていたので埃をかぶってしまっていましたが、今年は今年で、ボリュームとか内容の薄さとかジャンルとか頻度にこだわらず適当なことが書き連ねられたらいいですね。

どうぞよろしくお願いします。

 

 

というわけで今回は2021年のToDoリストのことを話そうと思います。

自堕落で終わってしまう生活を一段階豊かにするための細工として去年にもつくっていたのですが(こちらの記事です)、今年も作ってみようということになり、1月ごろから少しずつリストアップしてたのですが、今日やっと100個埋まりました。もう2月だぞ。

ちなみに、去年の達成率は40/100でした。なかなか芳しくなかったんですけど、これは自堕落なくせにでかい目標を立てすぎたり、普段の生活から離れすぎて縁がなくなってしまうものがあったり、あとは世間の感染症のあれそれで動きがとりにくくなったりなど色々な要因がありました。最後のはぼくの力ではもうどうしようもないんですけどね。

 

そのあたりの反省をふまえて、今年は

 

「目盛りの曖昧な目標は達成が分かりにくい(○○をがんばる、心がける、など)ので、○か×、もしくは回数などではっきり達成が分かる目標にする」

「でかい目標を立てるとしんどいので、自発的に普段の生活の外に動くだけで達成できるような目標をメインにする」

 

あたりを念頭に入れて目標を立てています。
実際作ったリストと合わせて、この記事を見たみなさんの行動指針表づくりの参考にでもなればうれしいです。

 

 

前置きが長いですが、以下が今年のToDo100です。今年はいくつ達成できるかしら?

 

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