こぶのなかのしる

観た映画のこととか、アナログゲームのこととか、色々と与太話して暮らしています

【映画】グリーン・インフェルノ

とんかつかお寿司か牛丼かピザ食べたいなーとおもってたんですけど、気づいたらラーメンを食べていました。

 

自分でもよくわからないので、面白かった映画の話をしたいと思います。

 

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グリーン・インフェルノ

森林伐採開発の阻止というイキり活動の帰路で飛行機の墜落に見舞われ人喰い族の縄張りに投げ出された大学の環境保護活動サークルの一同が、彼らに捕えられ、次々に選別されパクパクと美味しくいただかれてしまい、仲間同士でその本性をあらわにしながらしぶとく生き残ろうと手を尽くす、新感覚わくわく食レポ映画です。

 

【今回のお品書き】

●仲間のお刺身

●仲間の生き血ジュース

●仲間の目玉の踊り食い

●仲間の香草焼き

●仲間シチュー

 

などなど、愉快なメニューがたくさん!思わずおなかがすいちゃいますね!(??)

 

人間の姿と生活をしているにもかかわらず 「同じ人の姿なのに話も感情も常識も一切通じない」というのがとにかくおそろしい。素材の新鮮さを保つため生きたまま保管され、同じく生きたままパクパクされてしまうのですが、彼らにとって人喰いは残虐な行為でもなんでもなくただの日常のルーチンなので、そこに悪意や慈悲はないんですよね。こええ

 

社会活動サークルのリーダーが、恋人の肉を食べてしまったことに気づいて自殺した女の子の死体をネタにして突然自慰行為をはじめ「いまはやれることをするんだ!」みたいに言いだすシーンがあるんですが、こういうのリーダーが完全にサイコで素晴らしいですね、ホラーの登場人物にこういうクズが一人いるだけでも、物語がビシっとしまります(歪んだ考え方)

 

物理的肉体的なものだけでなく、精神的なグロシーンが目白押し、それこそ捕獲された中盤以降は永遠に続くのですが、このへんのグロ描写にある程度耐性があるようでしたら、「話の通じない知的生命体が一番怖い」というのが非常に楽しめるホラーです。

良い映画なので全人類と全食人愛好家観てほしいですね。

 

 

以下、例によってネタバレに触れるので分けておきます。

 

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サメ映画とか、ゾンビ映画とか、ホラー映画のちょっとした話

ものすごいどうでもいい話をします。
 
 
 
世の中に大変多くある、いわゆるゆかいなクオリティになっているサメ映画やゾンビ映画、ホラー映画など(ぼくはそういうのがとても好きです)に対して、世間では色々な見方や評価や感想が(基本的には非常に厳しいと言わざるを得ない)あると思うんですけど、そういったレビューや感想を読んでいる時に
 
レビューで☆1をつけてる人に対して「こんなパッと見てわかる明らかな地雷に対して何を期待して訪れたのか…?」となるし

☆2~☆4をつけてる人を見ると「この映画に“普通”…?それはちょっと物差しがおかしいのでは?」となるし

☆5をつけてる人を見ると「この映画に高評価?!ちょっとそれは頭がおかしいのではないですか!?」となるのですが、

 

じゃあどんな評価ならいいんだよ!という話になると、「それは…わからん…」

となりますよね(なりますよねではない)

 

 

 

 

結局のところぼくたち人類はZ級映画に弄ばれて、その掌の上から逃れることは出来ないのかもしれない…

【映画】ジェーン・ドウの解剖

シュークリーム食べたい…

 

食べたいので、面白かった映画の話をしたいと思います。

 

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ジェーン・ドウの解剖

外見はきれいなままにも関わらず、灰の中だけが真っ黒に焼け焦げていたり、手足の骨がバッキバキに折れていたり、皮膚の内側に大量の刺青が彫られていたりと、とにかく不気味で不可解な損傷があちこちにみられる謎の遺体「ジェーン・ドウ」、検死官がその解剖を進めているうちに施設は突然の停電から始まり次々と怪現象に見舞われていく…というわくわく人体アドベンチャーです。

 

この不気味な遺体ジェーン・ドウがとんでもなく不気味でこわいんですけど、そのこわさも含めてとにかく、どこか美しいんですよね…遺体役の女性の作画が整っているせいで、よりいっそうこの遺体の「異常さ」が際立ち、謎めいた説得力を放っています。

この遺体ジェーン・ドウと、それに隠された数々の謎が、洋物ホラーよりもどちらかというと日本モノ的な感触を生み出している気がします(いまやこの和洋ホラーのカテゴリ分けも古くてナンセンスかもですが)

また、この映画の主人公である検死官の親子、この2人が非常に有能かつ精神的にしっかりしており怪異に対して正面から向き合うので、ホラーにありがちな煮え切らない行動によるストレスなくぼくらも映画に立ち向かいやすく出来ています。親子には是非がんばってほしい。

 

 

 クトゥルフ神話や怪談、海外のオカルトネタが好きな人ならば、無条件で楽しめると思います。特に、ホラー系のTRPGに触れる人ならさらに適性倍々という感じです。

不気味で怖くて良い映画なので、全人類と全死体観てほしいですね!

 

 

以下、例によってネタバレになるのでこちらに分けておきます

 

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【映画】シェフ!~三ツ星レストランの舞台裏へようこそ~

亀田のわさび柿の種、気が狂いそうになるほどおいしい…

 

気が狂ったので、面白かった映画の話をしたいと思います。

 

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「シェフ!〜三ツ星レストランの舞台裏へようこそ〜」

才能と能力自体は超一流だけど環境に合わせた妥協や周囲との協力が出来ない性格のためにその力を発揮できず燻っている「料理のできるダメ人間」と、超一流レストランで長年料理長を務めるもひどいマンネリに陥っている「超一流のボンクラ」が、そのお互いの異常に強い我によってガンガン衝突を繰り返しながら、最強のメニューを作り出して三ツ星審査員を倒す、ドタバタキッチンコメディです

 

ぼくはこういう「一芸だけは異常に秀でているけどその反動でたとえばほかの才能、社交性や人間性が台無しになってるダメ人間」がものすごく好きなので、この映画はたいへんツボだったりします。ジャン・レノもまたこの映画のような偏屈なロートルがすごく似合うんですよね。そんなやかましい性格の2人が自分たちの専門分野でドタバタコメディタッチでガンガン衝突するので、そりゃもう楽しくないわけがなかった…

 

物語の冒頭にはそこらじゅうにとっ散らかってたたくさんの厄介な材料が、最終的にひとつのお皿に盛りつけられた料理になるような、きれいに収束するストーリーと、

肩の力を抜いてラストまで一気に観られる気持ちの良い映画なので、全人類と全食材に観てほしいですね!

 

 

 以下ちょっとだけネタバレになる部分で大好きなシーンに触れてますので分けておきます

 

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【映画】ハードコア

モンスターエナジーパイプラインパンチ再販おめでとうございます。

 

うれしいので、面白かった映画の話をしたいと思います。

 

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「ハードコア」

 


技術の進んだ近未来世界、瀕死の重傷からサイボーグ化されて蘇った主人公ヘンリーが、誘拐された妻を救い出すため、悪の組織と戦う。謎の人物ジミーの協力のもとで次々に襲いくる敵戦闘員と激しい戦いを繰り広げ、文字通りボロ雑巾のようになりながら組織のボス、超能力者のエイカンに立ち向かうという、シンプルなサイバーアクションです。

 

この映画、ストーリーライン自体は非常に単純で、まさしく王道のアクション、ちょっと悪い言い方をしてしまうと「わりとよくある」お話なのですが、なんといっても全編「主人公の一人称視点」で繰り広げられる圧倒的な観応えと、それによる驚異的な映像体験が最大の特徴です。excitin'…

この映画では銃撃戦、格闘戦、チェイスシーン、パルクールと、とにかくアクション映画に必要なド派手な美味しいシーンがぜいたくなビュッフェスタイルでご用意されています。あまりに動きがド派手すぎて刺激の強い映像なので、人によっては激しく酔いそうな気がします。ふつうのアクション映画の3乗酔うので…そこは要注意ですね。

ご機嫌なロックナンバーをBGMにしたら全部爽やかになるとおもってるフシがありますが、そんなことはないので制作陣は反省してほしい

 

また、一人称視点故に一切画面に出ることのない主人公ヘンリーにかわって、大量の遠隔操作クローンに物を言わせてどんだけ殺されてもすぐに次が出てくるゆかいなお助けキャラのジミーと、卑劣で強くて異常に顔が良い敵組織ボスのエイカンと、メインキャラクターが非常に魅力的に描かれています。エイカン、めっちゃ顔が良くてクズなので最高。

 

「新体験のアクション映像をひたすら“魅せる”ために余分な要素を徹底的にそぎ落として作り出した、鍛え上げられた大剣のような、まさしくハードコア」な映画です。

全人類と全ゲーマーと全酔わない人観てほしいですね!

 

 

今回はネタバレというよりは見所だと思った場所の雑記ですが、一応おいしい所なので分けておきます。

 

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【映画】ANGEL-A アンジェラ

恵方巻食べてないです。

 

食べてないので、面白かった映画の話をしたいと思います。

 

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「ANGEL-A アンジェラ」

根は善人であるものの、人生がどん詰まってる上に高額の借金に追われて河で投身自殺を図っていたボンクラ青年(ずんぐりしたヒゲ達磨だけど28歳なので青年です)アンドレが、同じく河で身を投げた謎の美女アンジェラを救ったことから、彼女に付きまとわれるように共に行動するようになり、その謎の行動力と嘘くさいド級スペックで人生の問題を次々に解決していく、そしてその正体は…というボーイミーツガールならぬヒゲミーツセクシーな映画です。

 

とにかくこのヒロイン、アンジェラのスペックすさまじいのです。ただ美人なだけでなく、180センチを超える抜群のタッパに洗練されたスタイルとハイヒール、真っ黒なタイトドレスと、圧倒的ナイスセクシーなビジュアル作画を誇る上(このせいでアンドレとの身長差が頭一個分くらいあります。とんでもねぇ)、勝負度胸の塊でケンカも強い、なんかもう「太った人がおなかの空いたときに考えた最強のケーキ」みたいな美女です。あまりにも戦闘力が強い

この映画は全編モノクロなんですけど、その映像がアンジェラの美しさをますます引き立てている気がします。モノクロ画面だとブロンドや黒のドレスはほんとうに映えますね。

 

物語としては、そんなチートスペックのアンジェラに助けられるアンドレが主役であり、その彼が救われ、一皮剥けていく過程がストーリーの目的として進行していきます。冒頭では本当にイイとこナシなボンクラだったんですけど、少しずつ、少しずつ俯いていた心が首をもたげていくのが、じんわりと心地よいです。映画の映像としては地味でないんですけどね。なんだかんだで善人なので「なんでこいつがこんな都合のいい目に」みたいな気分にはならないのが良いですね。

 

もちろん、ヒロインのアンジェラを目当てに再生ボタンを押してもらってもかまわないくらいに魅力的なんですが、決してそれだけではない、ステキな映画です。ボンクラのアンドレもボンクラながらどこか憎めず、悪いヤツじゃないのが良いですね。

というわけで(??)全人類と全債務者観てほしいです

 

 

 

例によって映画のネタバレを含む話になるので下に分けておきます。

 

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【映画】エクス・マキナ

今日は吉野家でねぎ玉牛丼を食べたので無敵です。

 

無敵なので、面白かった映画の話をしたいと思います。

 

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エクス・マキナ

世界的な検索エンジンを運営するIT企業で、社内抽選に当選し1週間の慰安に招待された主人公ケイレブが、人里離れたド秘境にある社長宅で慰安のついでに新型女性アンドロイドのチューリング・テスト(そのAIが人間的思考を持っているか試すやつです)に参加することになり、そのアンドロイド「エヴァ」と関わっていく、というお話です。

 

この映画。まず何よりも、ビジュアルが最強に良いのです。そればっかだな!でもビジュアルは大事です。大事ですよね。

新型アンドロイドのエヴァは顔こそ人間そのものであるものの、頭や腕にあちこち機械部分が露出しておりとてもじゃないけど人間とは認識できない造形なのですが、演じているアリシア・ヴィキャンデルの異常なまでの美しさとそのメカ部分のシャープなデザインが、いわゆる「不気味の谷」を棒幅跳びで思い切り飛び越え遥か向こう岸にダイブ出来るくらいに惹き込まれます。それ以外にも身の回りの世話をする旧型アンドロイドのキョウコも(日系の女優さんらしいです)ものすごく顔が良い…このビジュアルの強さが「理想のアンドロイドを作る」という作中の目的と合致しており説得力を大幅に増しているのかな、と思います。

あと社長がヒゲゴリラでつよそう

 

作中で行われる思考テストの過程で、

「AIは膨大な量の情報(この映画では基礎に検索エンジンのデータベースを使っています)の蓄積によって、人間の思考や感情を擬似的に作り出すことが出来る」

「その一方で、人間が持っている感情、思考、性嗜好なども、同じようにそれまでの人生で感じてきた膨大な外部刺激の蓄積で作り出したものではないのか?」

「ということはつまり、限界まで仕上がったAIと人間の思考ルーチンに大きな違いなどないのではないか?」

という問答が出てきます。

 

 

この問答と前提を踏まえて、エヴァの思考や行動の変化を一本の映画として、シンプルに、ビジュアルの美麗さとは裏腹に一本木なストロングスタイルで描写しています。ぼくはアホ故にあまり難しく複雑なことが考えられないので、こういうテーマを絞った映画は吸収しやすくて助かります。

もちろん、その問答やテーマにイマイチ興味がなくても、この圧倒的な美しさと不気味の谷ジャンプを味わうためだけに観てもいい、そんなレベルの映画です。すき

全人類と全AI観てほしいですね…

 

 

以下いつものようにラストのネタバレに触れるので分けておきます。

 

 

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