アゴから流血しましたけど逆にテンションが上がって無敵になりました。
あまり痛くなかったので、面白かった映画の話をしたいと思います。
「初恋」
脳に腫瘍が見つかり余命僅かを宣告された元ボクサーと、借金苦の父親に身売りされて行く果てに薬物中毒になった女の子、という人生ドン詰まった2人が出会い、様々な困難を乗り越えてその絆を深めていく、柔らかな青春ラブストーリー
…に、ヤクザ成分を78%ほど流し込んで攪拌してお出しした結果、たいへんなことになってしまった映画です。
タイトルに偽りはないんです…恋物語なんです…ただ、ヤクザがいっぱい出てきて、血とかもいっぱい出てくるだけなんです…たぶんこれは吊り橋効果とかそういうのなんです…
なんといっても配役がすさまじい…
評判通りというか、ベッキーのおそるべき狂戦士っぷりが鬼気迫っています。バールをガラガラガラ…って地面引きずりながら近づいてくるの最高。あんなの敵に回したくなさすぎる
染谷将太と大森南朋の完全にポンコツで悪事をやるのにあまりにも向いてない三下ムーブもあまりにも良すぎる。ふたりともこういうダメっぽいならず者めちゃくちゃ似合いますね
作品全体はヤクザ映画にガッツリ染まって入るんですけど、実際にこの話の核にあるのは主人公レオとヒロインモニカの、不器用で危ういボーイミーツガールであって、作中、その要素自体は間違いなく中心になって突き進んでいます。初恋というタイトルに偽りなし、です。レオとモニカは二人とも基本的に善良でいい子たちなので、幸せになってほしい…
クライムアクションモノの物騒な味付けと、ボンクラたちの奔走っぷり、そしてその中に据えられた真摯な恋愛描写が素晴らしい最高の映画なので、全人類に観てほしいですね…PG12ですけど…
ユニディは何でもあるな!!(ロケ地への忖度)
以下、ちょーーーっとだけネタバレに触れるので分けておきます
ちょっとネタバレに触れる程度ですが…
「この日本には仁義を持っている人間なんていない」
→お前は“仁”を心得ている人間だから見逃してやる
「人のために力を使いなさい」
→自分ではなく、モニカのために戦い、走る
「あなたは健康そのものだ」
→自分の病気がウソであり、健康そのものであることがわかる
という、序盤の他愛もなかったり、とぼけたシーンだったり、そういう所に出てきたセリフがしっかりとラストに返ってきて効いてくる、レオの行動指針になっていく、そんな小技の利いたところが良いですね…
でも医療ミスの報告を留守電で済ますのはいけないと思いますよ!!
あ、あと、ラストのシャブを車からブリ撒くシーンを誰かが「ハネムーンの缶カラの薄汚れた世界バージョン」って言ってて笑ってしまいました。物騒すぎる