こぶのなかのしる

観た映画のこととか、アナログゲームのこととか、色々と与太話して暮らしています

【映画】ウォーム・ボディーズ

2月は遠征とかDVDとかでお金をいっぱい使ってしまったので、今月はもう無駄遣いはしません!!

 

鋼の意志を固めたので、面白かった映画の話をしたいと思います。

 

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ウォーム・ボディーズ

ゾンビ・パンデミックによって人類が滅亡寸前に追いやられた近未来で、日々の情緒と記憶をすべて失い、あてどもなく彷徨う無為の死体と化した主人公R(本名もすべて失ったため頭文字しか知らない)がある日出会った生者のジュリーに恋をし、その不思議な交流を経て人間としての暖かさを取り戻していくボーイミーツガールならぬゾンビミーツガール*1映画です。

 

この作品、形式上はゾンビ映画だしバケモノも出てくる*2んですけど、その実態は「生きる意味を失った男が人との交わりを得て、少しずつ未来とアイデンティティを取り戻していく」というやさしいヒューマンドラマです。ゾンビですけど。

「こんなのゾンビじゃないでしょ!!」と言いたくなる人もいるかもしれないんですけど、ぼくは本物のゾンビは見たことないので…こんな感じのもありかな…
ゾンビパニックが主題の映画でもないので、良いと思います。いわゆるゾンビパンデミックの根源や、その根絶、現在に至るまでの過程などという詳細について語っていない以上、この映画においてゾンビパンデミックそのものはメインに語るものではない、と考えていいのではないかと思います。割り切っていきましょう

 

そして主人公のRが非常に顔が良く、そして言動所作がかわいらしいので、なんとも応援したくなるのがすてきです。レコードを集めて音楽鑑賞をするのが趣味とかなかなかいいじゃないですか

 

 

深いことを考えずに頭をサッパリさせて楽しめる、シンプルに心が温かくなる良い映画なので、全人類と全死体と全骸骨に観てほしいですね!

 

 

 

ネタバレというか結末に触れているので、分けておきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

というわけで分けました。

 

 

 

 

 

 

 

この映画のゾンビも「時折人を食う」という衝動を持っているのですが、それは食欲や栄養補給ではなく、肉や脳を喰うことで生きた人間の記憶を手に入れたいから、という理由付けがありまして、Rとジュリーによってゾンビたち全員の心境が、過去ではなく未来に向くようになったことで「人を食う」という行為そのものが全く必要なくなり、ぎこちない隣人として受け入れられるようになります。

かつて人を食う習性があった彼らを受け入れるのか?!と心の中で少し突っ込む声もあるんですけど、この映画の主題はそこではなく、人間とゾンビ双方の心の変化と交流を描くものなので、よしとしましょう!よしとするのが平和ですね!

 

そして結末で、今まで過去と記憶に固執していたRが「自分の名前を思い出す必要はない。これからのぼくは、Rとして生きていくから」と割り切ったのが、この映画のすべてを物語っているのかなぁと思います。

 

人間も情緒をすべて失ったら死者と一緒ですよね…彼らのように、みんなでボディとハートとソウルをウォームしていこうぜ

*1:○○ミーツ○○という表現が好きなのでこの先も使い続けます

*2:ゾンビの成れの果てとして、その上位種の「ガイコツ」とよばれる存在があり、本来のバケモノとしての立ち位置は彼らが担っています