こぶのなかのしる

観た映画のこととか、アナログゲームのこととか、色々と与太話して暮らしています

【映画】怪怪怪怪物!

だいぶブログの間が開いてしまいましたが、映画を観てなかったわけではなかったりします。

 

お久しぶりなので、面白かった映画の話をしたいと思います。

 

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「怪怪怪怪物!」

 

強烈ないじめがはびこる世紀末な高校で、近所で目撃された人喰い怪物が調子に乗ってるいじめっ子グループに捕えられ、その不死性や生態を徹底的にオモチャにされてるうちに、その怪物の家族に復讐されひどいことになる、というお話です。

タイトルだけだとちょっとおバカなホラーかな?と思ってしまいそうですが、きわめて真剣で深刻な人間スリラーです。怪物なんかより人間の方が怖かったんだ…

 

 

まぁーーーとにかくこの高校が胸糞のかたまりで、

・強烈ないじめをおやつ感覚で撒き散らすいじめっ子主犯格グループ

・それを傍観どころかみんなで笑いものにするクラスメイト

・いじめを止めることもせず見て見ぬふりをし、あろうことかいじめられる側にも問題があると責め立てる教師

・いじめられたくないがためにいじめグループの手下になっていじめる側に回ろうとする主人公(これはまぁ、最初のいじめの苛烈さを考えると気持ちもわからないではないんですが)

・かつてひどいいじめのターゲットにされていたことを思わせる、教室の外に机ごと弾かれて放置されている女の子

など、よくぞここまできっちりと詰め込んだな、ってくらいの、胸糞とクズのエレクトリカルパレードが繰り広げられます。このへんはそういう描写苦手な人にはかなりダメージが入るくらい生々しいです。怪物なんかより人間の方が怖かったんだ…

 

 

そしてそんないじめっ子グループにつかまった人喰い怪物が、これはまた徹底的にいじめられるんですがその描写もまたえぐい…

相手が不死身であること、それから(日の光を浴びると焼けてしまう)弱点をこちらが握っていることから気が強くなってどんどん行為がエスカレートしていきます…今度は対人ではある程度抑えられていた、見た目にも賑やかなグロ描写がたっぷり詰まっていて精神的ダメージをさらに重ねていきます。人間側があまりにも非道すぎて、ホラー映画のはずが完全に怪物側に心情が動いてしまう始末です。怪物なんかより人間の方が怖かったんだ…

 

 

 

ものすごく胸糞の描写が多いんですけど、ただイヤな描写だけを繰り返すのではなく、ちゃんと全てに意味が込められた誠実で良い映画なので、全人類精神エネルギーがある程度もてている時に観てほしいですね。怪物なんかより人間の方が怖かったんだ…

 

 

 

 

以下ラストにちょっとだけ触れるので、例によって下に分けておきます。

 

 

 

わけました!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いじめっ子グループは怪物に襲われて全滅、主人公も結局クラスメイトを虐殺する罪悪感と今までいじめる側に回ってしまった罪悪感に耐えられず、同じいじめられていた女の子だけを助け、自分もクラスメイト達に盛った怪物の毒を飲んで死ぬのですけど、ねっとりと描写され続けた彼らの悪逆な行為の清算がそれで済むか、と考えると、人によっては意見の分かれそうなところです。尺や好みの問題はあると思うのですけど、もう少しだけひどい目を見てもよかったかな…とぼくなんかは思います(陰キャなので)まぁ、十分に苦しんではいます。大丈夫です。やったー!!

一応、この話に登場した「悪」サイドの人物は全員報いを受けているので、そういう意味では非常に組み立てが丁寧で誠実な映画だとは思います。先生が肉体的にも精神的にも社会的にも一番ひどい目に遭ってますが、仕方ないですね