シュークリーム食べたい…
食べたいので、面白かった映画の話をしたいと思います。
「ジェーン・ドウの解剖」
外見はきれいなままにも関わらず、灰の中だけが真っ黒に焼け焦げていたり、手足の骨がバッキバキに折れていたり、皮膚の内側に大量の刺青が彫られていたりと、とにかく不気味で不可解な損傷があちこちにみられる謎の遺体「ジェーン・ドウ」、検死官がその解剖を進めているうちに施設は突然の停電から始まり次々と怪現象に見舞われていく…というわくわく人体アドベンチャーです。
この不気味な遺体ジェーン・ドウがとんでもなく不気味でこわいんですけど、そのこわさも含めてとにかく、どこか美しいんですよね…遺体役の女性の作画が整っているせいで、よりいっそうこの遺体の「異常さ」が際立ち、謎めいた説得力を放っています。
この遺体ジェーン・ドウと、それに隠された数々の謎が、洋物ホラーよりもどちらかというと日本モノ的な感触を生み出している気がします(いまやこの和洋ホラーのカテゴリ分けも古くてナンセンスかもですが)
また、この映画の主人公である検死官の親子、この2人が非常に有能かつ精神的にしっかりしており怪異に対して正面から向き合うので、ホラーにありがちな煮え切らない行動によるストレスなくぼくらも映画に立ち向かいやすく出来ています。親子には是非がんばってほしい。
クトゥルフ神話や怪談、海外のオカルトネタが好きな人ならば、無条件で楽しめると思います。特に、ホラー系のTRPGに触れる人ならさらに適性倍々という感じです。
不気味で怖くて良い映画なので、全人類と全死体観てほしいですね!
以下、例によってネタバレになるのでこちらに分けておきます
ネタバレです。
この女性の正体はセーラムの魔女裁判(ぼくはFGOでの基礎知識しかないですが)で処刑された数々の少女たちの「苦痛」の集合体で、関わった人間を次々に殺しつつ各地を転々としているハタ迷惑なバケモノでした。
検死官親子はCoCTRPGの探索者のように、持ち前の知識と閃きと経験で次々に謎のカギを開けて真相に近づいていく流れは、ホラー映画としてもとても気持ちの良い展開ではあります(ものすごくおっかないけど)
そして検死官親子はこの女性のことを、それがバケモノだったと分かっても歩み寄り、救おうとするのですが、それに対する「残念~~~!!!私はホラー映画です!サスペンスでも、御伽噺でもありませ~~~ん!!!」とバッサリ殺す、あまりにも無慈悲な結末、これぞホラー…好き…誰も救われない。最高…SUKI…
FGOのアビーちゃんが好きな人に「この映画はセイレムの魔女裁判が取り上げられるよ!」っていう意味合いで薦めるのは台無しなので、薦めたいけど薦めづらい、そんな映画です(???)