こぶのなかのしる

観た映画のこととか、アナログゲームのこととか、色々と与太話して暮らしています

【映画】イーストサイド・寿司

「もう一月記事を書いてないぞ、書いたらどうですか、書け。書けコラ!」とはてなブログからお叱りの自動メールが来てしまいました。

 

とても反省したので、面白かった映画の話をしたいと思います。

 

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イーストサイド・寿司」

屋台で日銭を稼ぎながら暮らすヒスパニック系のシングルマザーが、新しい働き口として目に留めた日本料理店にアルバイトとして勤め始めるうちに、日本食、そして「寿司」の魅力に目覚め、一人前の、そして一流の寿司職人になるべく、差別や困難と立ち向かいながらひたむきに努力していく、というお話です。

 

www.youtube.com

(リンク先予告ですが日本語字幕ないので、雰囲気だけでもどうぞ)

 

 

 

失礼ながら「ちょっとトンチキそうな映画なのでは…?」と身構えてしまいそうなタイトルからは想像もつかないくらい、まっすぐで真摯な映画で、日本食、日本人、そして「海外に居を構え日本食を提供するレストラン」というものに対する扱い、描写、姿勢が本当に丁寧で、日本人が見る「和食の文化はこういう形で知られて、伝わってほしい…」というストライクゾーンを直球で撃ち抜いてくれています。最高ですね。

なので、この映画では字幕でも『スシ』と表記されているんですが、個人的には是非『寿司』と表記してもらいたい、と思える映画です。

 

余談にはなりますが、海外では日本の寿司とは違う、アメリカナイズされたお寿司が目立ちますよね。この映画に出てくるカリフォルニアロールなんかがその代表なんですけど。よく揶揄されたり批判されたりしているのを見かけるのですが、この新しいスシも「日本の寿司を現地に馴染んだ料理」にするために日米問わず色々な人が努力した結果生まれたものなので、その土地に合うように改良されたその新しいスシを否定するもんではないと思うんですよね。それを言ってしまうとラーメンやパスタやカレーなんて日本はすさまじい勢いで手を加えてますし…それこそこの映画で語られる「寿司は日本だけのもの」という先入観やこだわりと同じく、柔軟に対応して時には壊していくような観念なんだろうなぁと思うのでした。

長い!7文字でまとめると「お寿司おいしい」です。

 

 

 

主人公のフアナも、人種も性別もアウェー、という絶対的に不利な環境の中を腕前、気迫、努力、誠実さで押し切っていくという、ほんとうに気持ちのいいキャラクターです。中盤で伝統に凝り固まり差別的になってしまっていたお店に対して強烈な啖呵を切るシーンはめっちゃかっこいい…

そんな真剣で意志の強い彼女だからこそ、あちこちに壁はあっても必ず味方になってくれる人がいるんですよね。いやほんとすごい、ぼくも応援したくなるそんな素敵な主人公です。

ラストシーンの一連の描写は本当に最高なので、是非そこまで観てほしいですしお寿司食べに行ってほしいですし、なんならぼくにお寿司をおごってほしいですね!

 

 

おすしたべたい…緑の悪魔ロール…